ロタウイルスワクチン接種のご案内

  • 2011.12.08 Thursday
  • 12:58

1122日にロタウイルスワクチンが発売となりました。


ロタウイルスはウイルス性胃腸炎の原因となるウイルスの一つです。冬の時期に流行する嘔吐下痢症の主な原因となります。最近ノロウイルスの方が有名となり、ロタウイルスという名前を聞いたことがない方もいらっしゃるかもしれません。


ロタウイルスに感染すると、通常は胃腸炎をおこし下痢や嘔吐を認めます。重症化すると脱水症状などで入院治療が必要となることもあります。ノロウイルスと比較して、下痢嘔吐とも長引く、激しいことが多いです。

さらに、脳炎(脳症)の合併症が有り、神経系の後遺症を残すこともまれにあります。


ロタウイルスは、便や吐物からの経口感染で感染します。便・吐物1g当たりウイルス粒子は100億個が含まれており、一人当たりウイルス粒子1万個で発症するので、便・吐物わずか1g100万人に発症できるウイルスが存在することになります。

ロタウイルスは乾燥に強く、環境中で1週間近く感染力を持った状態で存在します。石けん・アルコールにも強く、ウイルス感染の予防には、通常手洗いうがいなどが勧められますが、効果は期待できません。


これまで有効な予防策はありませんでしたが、ワクチン接種(内服)により感染を予防できるようになりました。現在日本では1種類のワクチンが発売されています。


接種期間・スケジュール

ロタリックス(GSK)

  2回接種、一回摂取量1.5mL経口接種

  接種対象者・接種期間

   生後60日〜240日まで(誕生日を生後0日と考えます)

   1回目の接種を20週までに済ませないと2回目の接種ができません。※

  4週以上の間隔を空けて2回接種

  生後25週以降の赤ちゃんには接種できません。

  山田こどもクリニックでは生後2ヶ月の誕生日をワクチンデビューをお勧めしています

 ● 肺炎球菌・Hibワクチンなどを順調に行うために、同時接種を前提に接種しています。


ワクチンの効果

 二回接種によって、ロタウイルス胃腸炎を79%、重症ロタウイルス胃腸炎を92%予防したという結果があります。効果の持続は3年は確認されています。ロタウイルス胃腸炎の好発年齢は6ヶ月以上2歳未満をカバーできます。


副反応・副作用

 国内臨床試験(承認時)

 接種症例508例(生後6週0日〜14週6日までの赤ちゃん

 接種後30日間の副反応

 易刺激性37例(7.3%)・・・接種後に機嫌が悪くなること

 下痢18例(3.5%)

 咳嗽・鼻漏17例(3.3%)


 ※ 当院では概ね生後15週までの赤ちゃんを対象にワクチンのご説明を行っています。 


 注意:日本では承認時の臨床試験において生後15週0日以降の赤ちゃんにはロタリックスは投与されていません。

 以前アメリカでは類似ワクチンで腸重積の発症頻度が増えたことがあります。一般的に年齢が大きくなるに従って、腸重積の発症頻度も高くなります。更に、上述のようにワクチン承認時の臨床試験では生後15週0日以降の赤ちゃんにはワクチンが投与されていないことも考慮して(日本では生後24週まで接種できるきまりですが)当院では初回接種は生後14週6日までの赤ちゃんを対象にワクチンのご説明を行っています。 


接種は任意接種で、接種費用に公費負担制度はありません。


どのワクチンにも「接種不適当者」という項目があります。例えば「接種当日に、熱があるお子さん」、「かぜや気管支炎などの病気にかかっている時期のお子さん」などです。

ロタウイルスワクチンには特有の「接種不適当者」が記載されています。


1)腸重積になった事がある赤ちゃん

2)腸重積の発症を高める可能性のある未治療の先天性消化管障害(メッケル憩室など)があると診断されている赤ちゃん


お勧めリンク

「LovesBaby」・・ロタリックスを販売するGSK社のサイト

2種類の子宮頚癌ワクチンについて

  • 2011.09.28 Wednesday
  • 11:54
子宮頚癌ワクチンはこれまでサーバリックスだけでしたが、9月15日よりもう一つのワクチンガーダシルの公費接種が始まりました。二つのワクチンのうちどちらのワクチンをうつ方が良いかいろいろな判断がでています。今分かっていることをまとめてみました。

☆ 子宮頚癌ワクチンとは、子宮頚癌の原因であるパピローマウイルスに対するワクチンです。
☆ 2種類のワクチンともまだ約7年間の実績しかありません。
☆ この約7年間では、両者の子宮頚癌に対する効果には差が見られません。
☆ 20年以上は効果が得られるとのことが予想されていますが、長期的な効果は、7年しか実績がないので、ともに確認されていません。
☆ パピローマウイルスには100種類以上有り、子宮頚癌の原因になりやすいのは16・18型で、この二つの型で子宮頚癌全体の役60〜70%を占めます。(ただし20〜30歳代ではm80%以上を占めます)
☆ 子宮頚癌は毎年役10,000人が新たに発症し、役3,000人がなくなっています。
☆ 公費で使用の場合は二種類のワクチンを途中で変更することはできません。

二つのワクチンを比べてみると


このようになります。現時点で分からないことが多いので、優劣つけがたいと思われます。どちらのワクチンを選択するかは、受けるご家族にお任せするしかありませんが、当院では中高生には抗体価が長く持続する可能性が高いことから、当面サーバリックスを基本にしようと思っています。

公費で女の子はサーバリックス、男の子にガーダシルを打つことができれば、子宮頚癌も、尖圭コンジローマも防げて一番よいかもしれませんね。

日本脳炎ワクチンと麻疹風疹ワクチンに関する改正

  • 2011.05.24 Tuesday
  • 20:01
 5月20日に予防接種法施行令の一部を改正する政令(政令第144号)及びそれに関する省令が出されました。

これに伴い、麻疹風疹ワクチンの第4期は、高校3年に相当する対象者のみだったのですが、高校2年生相当の年齢のものも希望すれが公費でワクチンを受けることができる様になったようです。昨今、高3年生以前に修学旅行や研修などで海外に出かける機会が増えたことより改正されたようです。

日本脳炎ワクチンに関しては、積極的勧奨の差し控えにより接種機会を逃した人(平成7年6月1日から平成19年4月1日生)を対象に、定期接種の年齢に該当しない、7歳6ヶ月から9歳未満、及び、13歳以上20歳未満の者について定期接種の対象者とすることになりました。

7歳6ヶ月までに一期接種が完了しなかった場合、現状では9歳まで待って一期接種の残りをおこなって二期もすることになっていましたが、9歳まで待たずに一期の残りをすることができる様になりました。また、二期接種をし損ねた現在15歳で、6月以降に16歳になる人までは一回予防接種をすることができます。

対象年齢の方は、まもなく市町村から案内が来るだろうと思われます。しばらく待ってから予防接種することをお勧めします。

小児用肺炎球菌ワクチンとヒブワクチンの接種が再開になりました

  • 2011.04.01 Friday
  • 13:51
 本日4月1日より小児用肺炎球菌ワクチンとヒブワクチンの接種が再開となりました。
今回は接種後の死亡事例が複数報告されたことから一時見合わせていましたが、
専門家会議で評価を行った結果安全性に関しては、これまでと変わりないとされたためです。

主なQ&Aを載せます

Q 接種予定から遅れてしまったのですが?

A 接種間隔が予定より開いたとしても、規定の接種回数を受けることで、免疫効果が出ま す。なるべく早く接種することをおすすめします。
 なお、現在ヒブワクチンが不足気味になっており、接種ご希望の方は予約システムで予約 の上来院ください。

Q 同時接種については大丈夫でしょうか?

A 同時接種することで、重症な副反応は増えることはありません。ある程度の頻度で発熱 や、注射部位の発赤など軽い副反応を生じることはあります。同時接種は早く免疫をつけ たり、受診回数を少なくするために行います。ご質問がありましたら来院時ご相談くださ い。

Q 基礎疾患があるこどもは接種しない方がよいでしょうか?

A 基礎疾患のある場合は、疾患によって感染にかかりやすかったり、感染することで病気 が重篤になる可能性があるので呼ぼうが大切です。ただ、ワクチンの副反応に対してもよ り注意が必要です。重い心臓病など、重症な基礎疾患がある場合は、日頃からよく知って いる種々医の先生と相談して、体調を良く確認しながら行うと良いでしょう。



小児肺炎球菌ワクチン、ヒブワクチン接種再開【予定!?】4月1日から

  • 2011.03.28 Monday
  • 20:24
 今日、ファイザーの担当者より、4月1日の再開は決定ではなく、厚生労働省は予定と考えているとのこと。最終決定は31日に再び専門家会議を行って決定されるそうだ。

今回のワクチンの接種見合わせは、多くに国が関心を示している。その後の反応でしっかりしているのは、米国CDCで、
今回のことで米国の接種方針を変える必要性はない」と断言している。

ワクチンについての良くある誤解に対して、感染症コンサルタント米国感染症専門医の青木眞先生が詳しく書かれている。
http://blog.goo.ne.jp/idconsult/e/7f9e3475ee94d6b148b17a40799f06cb

予防接種に関してはリスクばかり強調されるが、予防接種をすることで得られているメリット(病気や後遺症、死亡例の削減)については、なかなか報道されることはない。


日本における麻疹については、2008年以降中学1年と高校三年に2回目の接種がされることとなった。その後、患者数が激減し、2000年以降の麻疹の状況は

患者数            死亡数
 2000年 20〜30万人      100人
 2010年 450人        2005−10年で1人

二回接種が進むことで、麻疹はなかなかお目にかかれない病気になりつつある。
このようなことは大々的に報道されることはまずない。

今回のワクチン騒動で、ぜひ報道して欲しかったのは、「ワクチンで死亡」ではなく
「ワクチン後に死亡した例に乳児突然死症候群SIDSが紛れ込んでいた」ということだ。

それまで元気で、すくすく育っていた赤ちゃんが、ある日突然死亡する。これが乳幼児突然死症候群(Sudden Infant Death Syndrome−SIDS)という病気だ。
1996年SIDS予防キャンペーンが行われることで、SIDSの発症は年々減少し、年間500人前後死亡していたのが、ここ最近では150人前後と1/3以下に減少している。

それでも、年間150人はSIDSで失われている。ここでワクチンと関連するのは、多くのSIDSは2−6ヶ月に集中していることだ。この期間、3種混合、BCG、小児肺炎球菌ワクチン、ヒブワクチンを同時接種すれば4−5回接種する。これを別々に接種するとなると、さらにワクチン接種後に突然なくなる赤ちゃんの見かけの数は増えることになる。

青木先生のブログにもあるが、ワクチンとSIDSの関連については先進諸国各国で検討されており、今のところSIDSのリスクを増やさないとされている。ワクチン接種後にSIDSはみられることはあるが、それは、ワクチン接種とは関連なくその他の要因で起こる。

逆にワクチン接種をすることで、髄膜炎にならず救われるのは数十名存在することから考えると、「ワクチンで死亡」ではなく、SIDSのその他の要因を減らすことで、紛れ込みを減らすことができることを報道して欲しいものだ。

ちなみにSIDSを少なくするための重要項目
  • SIDSがどんな病気か正しく理解しよう
  • あおむけ寝で育てよう
  • タバコをやめよう
  • できるだけ母乳で育てよう
  • 赤ちゃんを暖めすぎないようにしよう
  • なるべく赤ちゃんをひとりにしないで

小児肺炎球菌ワクチン、ヒブワクチン接種再開4月1日から

  • 2011.03.26 Saturday
  • 17:07
 3月4日より接種を一時的に見合わされていた「小児肺炎球菌ワクチン」と「ヒブワクチン」が、3月24日に厚生労働省で開催された専門家会議の結果4月1日より接種再開する方針が示されました。

今回のワクチン接種の一時見合わせは、3月2日以降に小児肺炎球菌ワクチン、ヒブワクチンを含むワクチン同時接種後の乳幼児において続けて死亡例が報告されたことが要因です。

今回の専門家会議での評価された内容を要約すると以下のとおりです。

1)ワクチン接種後死亡が報告された7例について、現段階の情報において、いずれもワクチン接種との直接的な因果関係は認められない。

2)諸外国では、ワクチン接種後一定頻度の死亡例が報告されているが、死因は感染症や乳児突然死症候群が原因の大半を占めており、ワクチンとの因果関係は明確ではないとされている。また、今回の日本におけるワクチン接種後の死亡例頻度は、諸外国の頻度と比較して、大きな違いは見られなかった。(10万回接種当たり、0.1〜0.2件)そのため、国内でのワクチン接種の安全性に特段問題があるとは考えにくい

3)同時接種については、平成23年2月に一ヶ月間で小児肺炎球菌ワクチン及びヒブワクチンの接種で、他のワクチンとの同時接種が75%以上を占めている。同時接種により、発熱などの副反応が高い傾向はあるものの、重篤な副反応は増加していない。これは欧米においても同様なことである。

4)ワクチンの品質については、同一ロッドでの死亡例が2例報告されたが、回収したものについて検討した結果問題点は見つからなかった。

5)今後の対応について、小児肺炎球菌ワクチンとヒブワクチンと死亡例との間に、直接的な明確な死亡との因果関係は認められなかった。より安全にワクチン接種をするためには、同時接種は短期間に効率的に予防効果を獲得できるメリットがあるが、単独接種も可能であることを保護者と同意をして実施する。

細菌性髄膜炎の発症数は一年間で約1000件ですから、1日あたり2−3人となります。
あと一週間で再開です。
予定されている方は、早めに接種することをお勧めします。

任意接種ワクチンの有効性

  • 2010.10.24 Sunday
  • 09:42
最近新しい任意接種のワクチンが打てるようになりました。何を受けたらよいか迷うことも多いかと思います。
厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会でワクチン評価に関する作業チームから6つのワクチンの定期接種かが提案されました。報告書の内容を要約してみました。

◇ インフルエンザ菌b型(ヒブ=Hib)ワクチン
  Hib髄膜炎は、5歳未満の人口10万に当たりかかる確率が7−13人死亡率は0.4−4.6%、後遺症率は11.1−27.9%とされる。髄膜炎を含めた重症感染症に対するワクチンの予防効果は高い。米国ではワクチン導入により、髄膜炎は1/80に減った。
  接種スケジュールは生後2−7ヶ月であるが、5歳までは罹患するリスクが高く、接種が勧められる。

◇小児用肺炎球菌ワクチン 
 肺炎球菌の重症感染症は、5歳未満の人口10万人当たりかかる確率は23人、死亡率は2%、後遺症10%とされる。重症感染症に対するワクチンの予防効果は高く、米国ではワクチン導入により、重症感染症の罹患率は、1/200に減少した。さらに、65歳以上の老人にも重症感染を起こすが、こどもが感染しなくなったことにより老人の感染者も減少した。
 接種スケジュールは、生後12−24ヶ月未満 5歳までは罹患するリスクが高く、また、それ以上の年齢でも基礎疾患があるハイリスクグループは接種が勧められる。

◇水痘ワクチン
 日本では、毎年100万人以上の患者が発生し、このうち4000人程度が重症化して入院、20人程度が死亡している。インフルエンザによる死亡と同程度のリスクがある。
 ワクチンの予防効果は80−85%で、重症化防止は100%であり、集団接種により流行を防ぐことができる。
 同時接種が可能なので、一歳を過ぎたらMRワクチンの次に早めに打った方が良いワクチン

◇おたふくかぜワクチン
 日本では、毎年、40−130万人程度の患者が発生している。余り知られていないが、おたふくかぜの合併症に難聴があり、1000人程度に一人耳の聞こえが悪くなり、数万人に一人は全く聞こえなくなる。原因がわかっている後天性難聴の原因でもっとも多いのが、おたふくかぜ難聴である。
 ワクチンの予防効果は一回接種で88%、二回接種した場合は99%とのデーターがある。
 同時接種が可能なので、一歳を過ぎたらMRワクチンの次に早めに打った方が良いワクチン

◇ B型肝炎ワクチン
 日本では母児感染予防の観点から、B型肝炎ウイルスキャリアの母親から生まれた子供だけをワクチン接種の対象にしているが、それ以外の水平感染(親から子に移る感染ではなく、人から人に移る感染)でのキャリアが急増している。世界的には、こども全員がワクチン接種対象となっている。

◇ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン
 HPVが子宮頚癌などの発症防止に一定の効果が期待できる。
 子宮頚癌の罹患率や死亡率は、女性団体で見ると多の部位のがんに比べて高いとはいえないが、40歳未満に限ると罹患率は2位、死亡率は3位になる。
 10代での接種が望ましい。

ワクチンで防げる病気については、VPDに詳しく書かれています。
ワクチン接種スケジュールについて興味がある方は参考になりますよ。

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